甲武信ヶ岳 日帰り山行


山頂へのアプローチ

小屋泊も考えたが、今回は日帰りの山行とした。

 

登山口の「毛木平」は、標高は1410m。
西沢渓谷(標高1110m)から登るよりはきつくないはずだ。

千曲川の源流を遡り、水源を見られるのもいい。

急登もないと踏んだ。

以下は2022年8月19日の記録である。

 

アクセス

午前4時になる前に高速に乗る。
深夜割引がある上に、すいすいと走れる。

 

長坂ICで下りて佐久甲州街道を進む。


小海線の踏切を越えてしばらく行くと、高原野菜の畑だ。
右も左も収穫の真っ最中で、一家総出の様にどこも45人で働いている。

「早朝からのお仕事、ご苦労様!」と思いきや、
調べてみると何と午前2時からだという。
この地がレタスの収穫量日本一の村『川上村』であることを後から知った。

明日からは、店頭のレタスを見る目も変わろうというものだ。

出荷の最盛期とあって農作業用の特殊車両とすれ違うのも頻繁。
こっちは遊びだから、おじゃましてすみません的立場だ。

二車線だが、優先されるべきは先方だ。

「登山」とは

自分にとって「登山」とは、
絶景を見るために目的地(頂上)まで往復するという身体運動にとどまらず、
山とその地域の文化や歴史等を知ることも含めているので、
その山行記録はコース状況以外にも及んでしまう。

コース状況について

1.服装

朝7時の気温が14℃だ。
クーラーが効いた部屋よりもぐんと低い。

動いていれば熱くなるので半袖Tシャツでいいか、で出発した。

念のため、
ザックには長袖のジャケット、レインウェア、ウインドブレーカーが入っている。

この日、空気がからりとしており空は青く、風もほとんどない。
木漏れ日の差す登山道が実に気持ちいい。

 

2.登山道

この時刻での出発は遅いらしく、歩いている登山者は自分だけ。

静かなのだ。

 

先行者(70代くらいのご夫婦)に追いついたのは1時間後くらいだった。

のんびり歩いて、今日は小屋に泊まるという。

 

登山道はほとんど危険を感じることはなく、安心して歩ける。
熊の出没もないようだ。注意喚起の表示もなかった。

「源流まであと〇Km」という案内表示がところどころに立っていたが、
3時間余りを歩く人に見通しを持たせる役目があるのだろう。

「ナメ滝」を経て、水源に着いた。
千曲川信濃川水源地標」と書かれた柱が立っていた。

千曲川新潟県に入ると信濃川になることを知った。
千曲川の方が長いのだが、河川法上で信濃川なのだそうだ。

 

3.山頂

水源地標の地点から尾根に出るまで120mくらい標高を上げると
甲武信ヶ岳の山頂だ。

西側は遮るものがなく、展望がすばらしい。

 


雲が出てきた。
景色が覆われていくので、甲武信小屋に行くことにした。

登山バッチを買うためである。

そんなものを集めてどうする、という思いもあるが、
その山に行く動機であったり、登ったという印であったり、
手に取って思い出に浸るツールの1つであったりするわけだ。

 

小屋番さんは、外でお仕事中。「代金は箱へ」となっていた。

目的の物をゲットし、踵を返して100mほどを登り返す。

疲れがどっと出てきて、
再び甲武信ヶ岳の山頂に戻ったときはよれよれだった。

昼食中、蜂のような黄色いヤツが顔の周りを飛び回り鬱陶しかった。
ハッカ油スプレーの出番となったが、多少の効果を見せた程度。
薄め過ぎたかもしれない。

 

4.復路

予定通りのピストン。下る一方だがらさくさくと進む。

 

途中、これから登る親子とすれ違う。
高学年らしき男の子と低学年らしい女の子。
それに背中を越える高さのザックを負ったお父さんの3人だ。

 

持ち物からして、山頂近くのテント場まで行くようだ。
水源地まであと2時間は要するし、それから登りだ。
大丈夫だろうか、と遠ざかる彼らの背中を見て要らざる心配をした。